専門学生になり、学校が終わってからアルバイトをしようと思い求人誌を見て電話した先は、
住んでいたアパート近くの「パチンコ屋」でした。
パチンコ屋での仕事は、当時、まったくの知らない世界だったので、衝撃的だったり、
世の中ってこういう側面もあるんだな、と思える最初のバイトだったのかもしれません。
- 1.パチンコ屋の仕事は夕方から怒涛の展開
- 2.今のご時世ではできないけれど、当時は当たり前の「目押し依頼」
- 3.パチンコ屋の闇はここにあった!仕込みはサービス残業になりまぁす!
- 4.日中は学校、夜は遅くまでサビ残、結果は・・・
1.パチンコ屋の仕事は夕方から怒涛の展開
就業時間は夕方、午後6時から午前0時までの就業でした。
当時のパチンコ屋は、今とはだいぶ仕様が変わっており、
パチンコはかなり玉が出る、大当たりが多い機種が沢山あり(例:エキサイトラッシュ)、
スロットマシンも1撃数千枚と、かなりの枚数の当たりが出る機種は多くありました。
自分は全然詳しくありませんが、スロットマシンでは北斗の拳の初期のマシンがちょうど出始めた頃でした。
この機種、友だちのお金で台打ちをしていたとき、大当たり(ボーナス)をひいて、ボーナスが終わったら、またボーナスが始まる、
というほぼ無限ループなんじゃないか?と引くぐらい大当たりが続く機種でした。
北斗の拳の初期のスロットマシンは、詳しい方が見ると、どの時期なのか分かる人には分かると思います。
元々、スロットなどは得意でもなく、好きでも嫌いでもなかった(よく知らなかったせい?)ので、この大当たり(ボーナス)中は、正直、
「いつまで続くんだよ…早く終われ…。」
そう思っていました。
そりゃそうです、大当たりを何回も何回も回しても、
それは自分のお金ではないのですからね(汗)
いい経験にはなりました(笑)
話を戻しまして、
主な仕事内容は耳に「インカム」と言われる無線機のイヤホンをつけ、胸元にマイクを携えます。
お客さんから呼び出しがあれば、通路から見えるランプが点灯し、
そのコース(島)にドル箱を持って駆けつけて、
「お待たせいたしましたっ!(ニコッ)」
と空のドル箱をお客さんに渡し、パチンコ玉やメダルで満杯になったドル箱と空のドル箱を交換します。
満杯になったドル箱は、意外と重く、それを座席の後ろに、その店で決まっている配置にきれいに並べ、
「この台でこのくらい出ましたよ!」
と周知させるためのポップをドル箱に差し込んで、
「ごゆっくりどうぞっ!(ペコッ)(ニコッ)」
と、中央通路に戻り、また新たなランプが光れば駆けつける、それの繰り返しです。
また、ランプが光っていないときは、パチンコ台のそばにある灰皿(銀盤)の清掃(当時は分煙ではありませんでした)、
駐車場のゴミ拾いやノボリの交換、
連続で大当たりしている場合、パチンコ台の上に刺さっているポップの差し込み、交換
パチンコ台の玉詰まりの改修、スロットマシンのメダル補充などをしていました。
2.今のご時世ではできないけれど、当時は当たり前の「目押し依頼」
スロットコーナーではお客さんから呼ばれると、
「これ揃えて(クイッ)」
とジェスチャーや顎で言われますw
「これ」というのは大当たり(777やBAR)や2枚チェリー、スイカを俺の代わりに揃えて、という意味です。
当時は店員がお客さんが頼んだら、目押しをすることが可能でした。
目押しとは、スロットマシンで回転しているリールの特定の絵柄を有効ラインに狙い撃ちすることです。
目押し(めおし)とは、パチスロ用語で、回転するリールの特定の絵柄を有効ラインに狙い撃ちすること。特定箇所に狙うことをビタ押しともいう。
(引用元:Wikipedia)
慣れている人には簡単なのですが、
慣れていないとこれがまた難しく、なかなか揃わずにいると、お客さんの顔もだんだんこわばって、イライラしてきてしまいます。
それは当たり前のことです。
だって、その回しているメダルはお客さんのお金で出したメダル、つまりお金だからです。
なかなか揃わないということは、そのぶんだけお金を捨てているということですので、いい顔をするわけがありません。
そんな時はほかの従業員にインカムで助けを呼びます。
「出来ないことは仕方ないけど、努力しろ。」
バックヤードでそういわれると、
「これは、プライベートでスロットしろと?そう言ってるのかい?」
心の中でそう思っていました。
3.パチンコ屋の闇はここにあった!仕込みはサービス残業になりまぁす!
パチンコ屋の営業が終わり、次の日の準備をします。
パチンコ側では店長がパチンコ台に向かって作業をします。
この時、
「絶対にそのコース(島)に入るな!」
と、きつく釘を刺されます。
スロット側に移動した際も、同じようにきつく釘を刺されます。
次の日のために、台を調整しています。
もし、その調整している台を従業員が知ったら、絶対に悪用する人がいるので、その防止です。
自分が働いている店舗では、プライベートでパチンコ、またはスロットで遊ぶことは禁じられています。
禁じなければ、大当たりが出やすい台、出にくい台がわかってしまいます。
それは不正行為と言わざるを得ません。
だから厳しく言いますし、プライベートで職場での遊戯を禁止しているのです。
そして、スロットコーナーでは次の日に開催するイベントの「仕込み」をします。
現在ではこのようなこと、出来ません。絶対に。
それは、2チェを作ります。
2チェとは、スロットマシンの左のリール真ん中にチェリーがあることで、この状態になると、メダルが2枚出てきます。
これにより、大当たり(ボーナス)に移行する確率が高くなり、その期待値もグングン上がっていきます。
俗にいう、「アツい」という状態です。
「偽の2チェ」を作るのはリールを動かすだけの簡単なお仕事なのでいいのですが、
「本物の2チェ」を作るのはとても大変です。
実際に私達店員が残業して2チェを揃えるまで打ち続けるのです。
文章で書くのはたやすいことです。
実際にこれをするのは本当に苦痛です。
折しも、大当たり(ボーナス)をひいてしまったら即リセット、最初からやり直しです。
これを何回も続けると、大当たり(ボーナス)に期待も高揚感も見いだせなくなります。
無ですよね、無www
そんな苦行が終わるとようやく帰ることができます。
その頃には午前2時をすぎているのは当たり前でした。
当然、2時まで残ったのだから残業代付くだろう、と思っていましたが、
当時の上司いわく、
「仕込み楽しかったべ?あれはほぼ遊んでるようなもんだから、仕事じゃないよ。」
冗談か本気か、あまりに真顔で言ってきたので、返す言葉もありませんでした(笑)
4.日中は学校、夜は遅くまでサビ残、結果は・・・
当時は一人暮らしをしていたので、アパートに戻るなり、すぐさまシャワーを浴びて寝ます。
そして朝7時に起きて学校に行きます。
そんな生活の繰り返しでした。
さすがに、この生活で疲弊しきった状態では勉強は頭に入らず、
結局数ヶ月働いて、このパチンコ屋のアルバイトを辞めました。